共生・共存活動 C 

 事例7 >

8月5日、梅雨明けもした日曜日、朝から照りつける太陽・・・
10時を過ぎる頃には、30度を越える勢いの暑さだ!!
犬達も、ぐったりしている。こんな日には、水辺で無い限り昼間の参歩はありえない!!

ポリタンク(手押しシャワーポンプ付き)に洗い流し用の水を入れ、車に積み込む。
今まで、だらだら寝そべっていたマリー・ノルテは、その行動から水辺の散歩を察し
すっくと起き上がり、さっさと駐車場へ・・・
車で約15分ほどの、街外れの市の施設(温泉施設・グラウンド等ある)に隣接した、
水辺(小さな噴水と人口水路)がお目当てだ!!

到着すると、ことのほかチビッコでごったがえしていた。
一番深いところでも、大人のひざ位の水位だからジャブジャブ池に手ごろとあって
プールでもないのに、しっかり水着を着込んで浸かっている子、あるいは
パンツ一丁で遊んでいる子・・・様々である。
保護者は幼児にはつきそっているようだが、小学生低学年の子は友達同士、
あるいは、家族(兄さん?)がグラウンドのサッカー教室に参加している間の水遊び
といった感じだ。
グラウンドは、それは熱心にサッカー教室が親子を巻き込んで開催されていた。

マリー・ノルテは直ぐにでも水に浸りたいようすではあったが、
先週とは比べものにならない水辺利用者(子供は15人以上はいた)であることと、
トイレも済ませていないことから一度そのを離れ、グランド脇の林の中で、
用足し(もちろんお持ち帰り)をして、木陰の中をひと回り参歩をした。
暫くして、水辺に戻ると、水路の中央付近に、だれも利用していない空間が開いたので、
とりあえずリードをつけたまま、水路に犬を浸らせた。
マリー・ノルテは「アジィ〜〜〜。でも生き返る・・・」 ってな顔をして、言われもしないのに
思いっきり伏せ状態になり、しばし固まる。

その様子を見ていた子供たち、「かわい〜〜」 「さわりたい!!」 などとはしゃぎながら
集まってきた。幼子連れの親も、触らしても良いですか?と話しかけてきた。
幼子は接したことが無いらしく、チョット怖いのか、親の後ろから覗き込んでいる。

「どうぞ、どうぞ、ちっちゃい子も慣れていますから・・・」 と私・・・
マリー・ノルテは二頭引きリードで連結されています。
多くの子供が色々な方向から来ると、リードが絡まって危険なので、
とりあえずマリーを切り離しフリーに・・・とは言っても、足元でぐだぐだするだけです。
暑いし、年寄りなので動き回りは致しません。
そんなマリーを四方から子供たちは取り囲み、さわりまくるは
水をかけるは、おおはしゃぎ・・・
ノルテは、若いし、愛想振りまきながら、ちょろちょろするので、とりあえずはリードをしたまま、
まわりの様子見を伺って浸っていました。
遠巻きでこっち気にしている子供たち、親たち・・・
私は、思い切って声をかけてみました。
「犬が苦手な子は、いるかな?」
いかにもウジウジしている子、元気に手をあげて主張する子、二名程・・・
それでは、「苦手な子に近づかないようにこっちで水浴びしましょう」と集まってきた子供達と
我が娘達に話しかけ、ノルテもフリーに・・・
苦手な子のいる場所からは20m位離れた一角で、
興味ある子供たち10人以上と二匹は一時、戯れておりました。

そのうち、一部の子供は苦手な子の居る水辺の方へもどっていきました。
そちらは、ちょと深い水辺で、大型犬でも伏せをすれば、全身が浸る
マリー・ノルテのお気に入りポイントです。
子供に誘われるかのようにマリーはついて行き、その子供達と共に、お気に入りの定位置にどっぷりと。
苦手な子供もいるので連れ戻そうと思い、近づいてこなかった子供達と親たちの一角へ近づいて
行く私、それを追ってノルテも・・・
マリーは子供達の真ん中に、(いつもの定位置に)それは、満足そうに全身浸って伏せしております。
それなら私もとばかり、ノルテもマリーの横に寄り添うように、全身水に浸り伏せ状態。
私:「すみません、お邪魔して・・・」 
「ほら、ほら、ワンちゃん可愛いよ!」 とそれまで、近づいては来なかった親達の何人かは
自分の子供を、触れさせようとしたり、携帯電話で写真を撮りだすは・・・たちまち此方も賑やかに!
この様子なら無理に引き戻さなくても馴染めそうな雰囲気・・・
そんな中、一組の親子、輪から離れていった。
犬が嫌いなんだと感じたので、「ごめんね、犬苦手だったんだネ」 とチョットとウジウジした
感じの男の子(小3,4年位)に声をかけたら、母親はチョット不機嫌そうな顔をして強引に
子供を連れて行った。
それからは、10組以上の親子に溶け込んで、和気藹々お互い水浴びを楽しみました。

昼も近づき、サッカー教室の放送で、
「あと5分で午前中の練習は終了して、昼食の準備に入って下さい・・・」 と聞こえたので、
昼休みは、食べ物の誘惑と、益々賑やかになりそうなので、我々は引き揚げますかと思い、
水辺の二匹に、「そろそろ乾かしに入るよ」 と水辺を離れることを促しました。

そんな時、先ほど離れていった親子が戻ってきて、母親が私に語りかけてきた。
「ちょっと、あなた、犬嫌いな子もいるのですから、放し飼いしないで下さい。
公園は公の場所です。マナーを守って下さい!!」
「ここ(水)に、犬を入れてよいと思っているんですか?!」
ウワ〜〜!またしても来たよ、こうゆう一見正論主張し、
実のところ自分の我侭を正当化する輩・・・と心で思いつつ、
「ここは、子供用ジャブジャブプールではありません。犬どころか厳密には子供も入る所では・・・?
私は放し飼いはしていませんが、あなたの意見は一応伺わせて頂きました。」 
とだけ、返答しそれ以上の議論はさけました。
主義主張は決して合わなそうだし、ウジウジした男の子の手前、あれこれ言うと可愛そうに
思えたので・・・それに、もう引き揚げるところだったし・・・
犬苦手で、ウジウジして、友達と馴染めない(社会性の乏しい)あの男の子の原因は、
きっと母親にあるのだと瞬間に判りました。
きっと母親が正しいと言ったら、全て正しいと教え込まれているのでしょう・・・
男の子には、「頑張って良い大人(母親に気に入られるだけでなく)なりなよ!」そして
母親には、「人にマナーを言う前に、お前がもっと人としてのマナーを学べよ!」 と
心の中で叫んでやりました

帰り際は、他の親子さん達に
「どうも、色々お騒がせいたしました。怒られちゃったんで帰ります。」 と挨拶したら、
皆さんにこやかに笑っていました。

そして、子供達には、「え〜〜、帰っちゃうの!」 とか 「また来てね!」 と声をかけられ、
接し方がわからなくて、母の後ろで覗き込んでいた子は、「バイバイ!」と手振ってくれました。

今日の感触からも、九割以上の一般の方に自分のスタイルが受け入れられるとハッキリ判りました。
私は犬が好きで、犬と一緒に過すことは当然ですが、他の(見ず知らずの)人達と一時、
 ”犬を介してコミュニケーションすることが好き!” なのだと、改めて自覚しました。

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